あいち環境学習プラザ

空気の汚れ

わたしたちは、空気の中で呼吸(こきゅう)をし、その中の酸素(さんそ)をとりいれて生きています。空気がなければ、わたしたちは生きていくことはできません。人間だけでなく、ほかの植物や動物にとっても、空気はとても大切なものなのです。
では、わたしたちの住むまちの空気はきれいなのでしょうか。
空気をよごすもののほとんどは目に見えないので、毎日のくらしの中で、空気がよごれているとはあまり感じないかもしれませんね。
しかし、自動車の排気(はいき)ガスや工場・発電所のけむりにふくまれる二酸化硫黄(にさんかいおう)や二酸化窒素(にさんかちっそ)など、空気をよごすものはわたしたちのまわりにもあるのです。
空気のよごれがひどくなると、ぜんそくなどの病気になる人がふえたり、植物がかれてしまったり、酸性雨(さんせいう)がふったりするなど、悪い影響(えいきょう)が出てしまいます。

 

<都市をつつむ空気(平成20年12月)本宮山山頂から名古屋方向>

 

 

空気のよごれってなに?

空気をよごすものは、大気汚染物質(おせんぶっしつ)といわれ、いろいろな種類(しゅるい)があります。

主な大気汚染物質

二酸化硫黄(にさんかいおう)(SO2) ・硫黄(いおう)分をふくむ石油や石炭をもやすと出る。
・主に工場のけむりにふくまれる。
・たくさんあると、ぜんそくなどの病気や酸性雨(さんせいう)の原因(げんいん)になる。

窒素酸化物(ちっそさんかぶつ)(NOX)

(二酸化窒素(にさんかちっそ)(NO2)など)

・ものがもえると出る。
・主に自動車の排気(はいき)ガスにふくまれる。
・たくさんあると、人の健康に悪い影響(えいきょう)がでたり、酸性雨(さんせいう)や光化学(こうかがく)オキシダントの原因(げんいん)になったりこともある。
浮遊粒子状物質(ふゆうりゅうしじょうぶっしつ)(SPM) ・空気の中をただようとても小さな粒子状(りゅうしじょう)のもの(1/100mm以下)。
・主に工場のけむりや自動車の排気(はいき)ガスにふくまれる。
・たくさんあると、人の健康に悪い影響(えいきょう)がでる。
光化学(こうかがく)オキシダント(OX) ・工場のけむりや自動車の排気(はいき)ガスにふくまれる窒素酸化物(ちっそさんかぶつ)などが太陽からの光(紫外線(しがいせん))で光(こう)化学(かがく)反応(はんのう)を起こし、光化学(こうかがく)オキシダントというものになる。
・たくさんあると、人の健康に悪い影響(えいきょう)がでる。
石綿(いしわた)(アスベスト) ・建物の材料としてつかわれていた。
・肺(はい)の病気の原因(げんいん)になることがある。

二酸化硫黄(にさんかいおう)や二酸化窒素(にさんかちっそ)は、石油や石炭などの燃料(ねんりょう)をもやすと出てくるため、工場のけむりや自動車の排気(はいき)ガスなどにたくさんふくまれています。
昭和40年(1960年)代、三重県四日市市で、工場のけむりが原因(げんいん)で多くの人がぜんそくになってしまいました。これは四日市ぜんそくと呼ばれ大きな問題になりました。この頃、工場などから出る空気や水のよごれが原因(げんいん)で人々が病気になるという問題は日本各地で起き、公害(こうがい)とよばれました。公害(こうがい)を二度と起こさないようにするために、法律(ほうりつ)で基準(きじゅん)が決められ、工場はその基準(きじゅん)を守り、よごれたけむりをそのまま出してはいけないことになりました。

 

空気のよごれは、昔よりもきれいになっているの?

二酸化硫黄(にさんかいおう)と二酸化窒素(にさんかちっそ)について、愛知県の状況(じょうきょう)をみてみましょう。

 

二酸化硫黄(にさんかいおう)
二酸化硫黄(にさんかいおう)は、工場のけむりの中に多くふくまれています。
昭和54年(1979年)頃、二酸化硫黄(にさんかいおう)は愛知県内にもたくさんありましたが、だんだんと減(へ)っていき、今ではすべての地域(ちいき)できれいになっています。
工場のけむりから二酸化硫黄(にさんかいおう)をとりのぞく機械(きかい)をつけたことや、工場で使う燃料(ねんりょう)を質(しつ)のよいものに変えた結果、二酸化硫黄(にさんかいおう)が減(へ)ったのです。

 

<二酸化硫黄(にさんかいおう)の濃度(のうど)の比較(ひかく)>

二酸化窒素(にさんかちっそ)
二酸化窒素(にさんかちっそ)はトラックなどの自動車の排気(はいき)ガスの中に多くふくまれています。
二酸化窒素(にさんかちっそ)は昔とくらべてあまり減(へ)っておらず、逆(ぎゃく)にふえてしまった地域(ちいき)もあります。
昭和54年(1979年)頃にくらべると、工場などでの対策もすすみ、二酸化窒素(にさんかちっそ)をあまり出さない自動車がつくられるようになりましたが、台数がたくさんふえたため二酸化窒素(にさんかちっそ)はなかなかへらないのです。

<二酸化窒素(にさんかちっそ)の濃度(のうど)の比較(ひかく)>


とくに、国道や高速道路など、自動車がたくさん通る大きな道路の近くや大きな都市で、濃度(のうど)が高くなっています。
≪愛知県内の二酸化窒素(にさんかちっそ)の濃度(のうど)(平成18年度)≫

 

 

愛知県ではどんなとりくみをしているの?

愛知県では、工場のけむりや自動車の排気(はいき)ガスにふくまれる大気汚染物質(おせんぶっしつ)を減(へ)らすため、さまざまな対策(たいさく)を行っています。

工場のけむりからでる大気汚染物質(おせんぶっしつ)については、基準(きじゅん)を守っているかどうか工場に行ってチェックしています。また、工場に対して、大気汚染物質(おせんぶっしつ)を出さないようにするにはどうしたらいいのか説明する資料をつくったり、説明会を開いたりしています。

自動車の排気(はいき)ガスについては、低公害車(ていこうがいしゃ)(エコカー)をふやしたり、車の渋滞(じゅうたい)をへらすために道路をととのえたり、アイドリングストップなど排気(はいき)ガスを減(へ)らす自動車ののりかた(エコドライブ)をみなさんに紹介(しょうかい)したりしています。

大気汚染物質(おせんぶっしつ)をいつも監視(かんし)し、その結果をみなさんに発表しています。また、空気のよごれに関する問題を解決(かいけつ)するための調査(ちょうさ)を行っています。

 

空気をきれいにするために、わたしたちにできることは?

わたしたちの生活のなかでも、気づかないうちに空気をよごしていることがたくさんあります。
たとえば、自動車を使うこと、電気を使うことでも空気はよごれてしまいますが、わたしたちが使い方を工夫すれば、空気のよごれを減(へ)らすこともできるのです。

 

空気のよごれをへらす工夫をしましょう。

電車やバスなどを利用する。

近所へ出かけるときは、歩いたり自転車を使ったりして、自動車を使わないようにする。

アイドリングストップなど、自動車の排気(はいき)ガスをへらすのりかたエコドライブをする。

自動車を買いかえるときは、エコカーをえらぶ。

使っていない電気はこまめに切るなど電気を節約(せつやく)する

 

ほかにも、空気をきれいにするために、わたしたちにできることはたくさんあります。みなさんでできることを、家族やともだちと話し合ってみてくださいね。そして、できることは今日からすぐに実行しましょう!

 

おまけ1 「エコカーってどんなもの?」

電気自動車(EV)や、ハイブリッド自動車、燃料(ねんりょう)電池車など、排気ガスの中の大気汚染物質(おせんぶっしつ)が少ない自動車や、大気汚染物質(おせんぶっしつ)を全く出さない自動車のことを「エコカー」とよんでいます。

 

電気自動車
バッテリ(電池)にたくわえた電気の力で、モーターを動かし、タイヤを回転させて走ります。電気の力で走るので、自動車からは排気(はいき)ガスが出ません。大気汚染物質(おせんぶっしつ)や二酸化炭素(にさんかたんそ)も、電気をつくるために火力発電所などから出る量を考えても、ガソリンで走る自動車よりは少ないといわれています。お家のコンセントなどにつないで充電(じゅうでん)することもできます。

 

ハイブリッド自動車
いろいろな動力減を組み合わせることで、大気汚染物質(おせんぶっしつ)が出る量を減らしたり、燃料(ねんりょう)を節約(せつやく)したりする自動車のことです。ガソリン燃料(ねんりょう)で動くエンジンと電気で動くモーターの2つを組み合わせ、うまく使い分けることで、排気(はいき)ガスや、燃料(ねんりょう)(ガソリン)の量を減(へ)らすことができます。

 

燃料電池車
水素(すいそ)と空気中の酸素(さんそ)を化学反応(はんのう)させて電気をつくり、その電気の力でモーターを動かし、タイヤを回転させて走ります。燃料(ねんりょう)として水素をつかえば水しか出ず、エネルギー効率(こうりつ)もよいため、理想のエコカーといわれています。
ただし、燃料(ねんりょう)電池をつくるためにたくさんのお金がかかることや、燃料(ねんりょう)の水素(すいそ)を入れることができる施設(しせつ)が少ないなど、考えなければいけない問題があります。燃料(ねんりょう)電池車がわたしたちの家にくるまでには、まだまだ時間がかかりそうです。

ほかにもいろいろなエコカーがあります。エコカーには他にどんなものがあるのか、どんなしくみで走るのか、みなさんも調べてみてくださいね。

 

おまけ2 「電気を使うと空気がよごれる?」

日本では、電気の約65%を火力発電所でつくっています。火力発電所では石油や石炭などをもやして、電気をつくるため、二酸化窒素(にさんかちっそ)などの大気汚染物質(おせんぶっしつ)が出てしまいます。
わたしたちがたくさん電気をつかえば使うほど、電気をたくさんつくらなければならなくなり、電気をたくさんつくるために石油や石炭などをもやすと、大気汚染物質(おせんぶっしつ)もたくさん出てしまうのです。

 

おまけ3 「アイドリングストップやエコドライブってなに?」

排気(はいき)ガスをへらす工夫をしながら自動車にのることを、エコドライブといいます。エコドライブは、ガソリンなどの燃料(ねんりょう)を節約することができるので、環境(かんきょう)にもお財布(さいふ)にもよい効果(こうか)がありますよ。
自動車を運転する人にエコドライブに協力してもらうよう伝えてくださいね。また、みなさんも、自動車を運転するようになったら、ぜひエコドライブをしてみてくださいね。
≪排気ガスをへらす工夫≫
アイドリングストップ
自動車をとめている間でもエンジンをかけたまま(アイドリング)にしていると、たくさんの排気(はいき)ガスが出てしまいます。待ち合わせや、荷物のつみおろしなど、自動車をとめているときは、必ずエンジンも止めるアイドリングストップをしましょう!